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阿修羅掲示板の投稿の中でこれはと思ったものを転載します。


by wayakucha

啓示宗教の破壊について

啓示宗教の破壊について
http://www.asyura2.com/0403/idletalk9/msg/516.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 5 月 19 日 16:22:13:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: Re:ターゲットは、どうして、キリスト教に? 投稿者 はまち 日時 2004 年 5 月 19 日 09:05:19)



はまちさん、どうもです。

日本的精神という土壌に生まれ育った私にとって啓示宗教は外なるものでしかありませんが、啓示宗教を内なるものとして育った人たちにとっては重いテーマなんでしょうね。

このような意味で、日本的精神に近代主義を接木した人が多いはずの日本の学者は宗教の意図的な破壊という命題がどういう意味性を持つかあまりわからない一方で、啓示宗教の世界で継承されてきた現在の“世界支配層”はそれにこだわっているという図式になっていると思っています。


>>3)世界の大宗教、特にキリスト教の壊滅を計画し、実行する。

>>15)信教の自由という思想を世界中に輸出し、既存の真摯な宗教、とりわけキリ
>>スト教の根底を揺るがす。

>新興宗教を奨励することによってユダヤ、キリスト、イスラムの3大宗教に打撃を与
>えようという意図が見られますが、とりわけ、キリスト教にアクセントをつけている
>のはどうしてでしょうか?

>それとも、終末に向けて、ユダヤ、イスラムを対峙させるのに、キリストがイスラム
>に寝返ることを防ぐためでしょうか?


神学や哲学に関わるテーマだとは思っていますが、軽い視点で考えてみます。

国家社会や世界を支配したいと思っている人たち(“彼ら”)は、これまで重宝なものとして利用してきた啓示宗教が現在及び将来では厄介なものになっている(なる)と思っているはずです。

なぜなら、啓示宗教は人知や自然を超えた神の“指示”を信仰することですから、神未満のものである人知(論理やイデオロギー)でその非を説得することができないからです。
(日本的精神では神を足蹴にするものもそれほど難しいことではないので、啓示宗教的世界に生まれ育った人たちのあいだではとお考えください)


「近代」は、国家社会の在り様条件から啓示宗教を排除し、啓示宗教を個々人の“心の問題”に押し込めることで成立したと言えます。

国家社会の在り様は、啓示に代わって自然権思想から紡ぎ出される「秩序体系」に規定されることになりました。(マルクス主義などの反資本主義政治勢力も、この点では、同じというか、さらに純化したものと言えます)

そのような「近代」に異質なものとして“残った”のがイスラム世界(国家)です。

(日本や中国そしてヒンドゥ的インドは、その懐の深さというか融通無碍性によって「近代」を変形して受け入れたと言うこともできます)

「愛」や「神の国」という曖昧な規定しかないキリスト教と違い、イスラムは、共同体(国家社会)の在り様規定を取り除いてしまえば無残な姿を晒すことになる宗教です。

(イスラムが植民地支配や近代的利益の確保そして支配層の“裏切り”や近代主義の摂取などといった歴史的現実のなかで変容してきたことはとりあえず脇におきます)

現在進行中の「対イスラム戦争」は、“彼ら”の経済的利益拡大に障害になる「利息取得禁止」という分かりやすいイスラム規定の排除を含み、地理的イスラム世界からイスラムを排除することが目的だと思っています。
歴史的アナロジーとしては、ヨーロッパ近代がカソリック世界の打破をもって確立された過程をなぞっているとも言えますが、へなちょこカソリック「秩序体系」と違い強固で具体的なイスラム「秩序体系」の排除は並大抵のことではありません。
(それは、へなちょこカソリック世界が打破されるためだけでも、どれだけの“宗教戦争”や“革命戦争”が繰り返されどれだけの人たちが死んでいったのかを考えればわかるはずです)

前置きが長くなりましたが、本論の「キリスト教破壊」に移ります。

キリスト教信仰は個々人の“心の問題”に移行したかの様相を見せていますが、キリストの再臨とそれを通じた戦いを経て「神の国」が確立されるという教義は生きていますから、何かがあればそれが頭をもたげてくる可能性はあります。
(奇妙な話ですが、米国のキリスト教原理主義(宗教右派)と呼ばれるブッシュ政権を支えている人たちは既にそのような頭をもたげています)

“彼ら”が自分たちの価値観で世界を支配しようとするのなら、人知(哲学やイデオロギー)で説得できる精神性を人々(被支配層)に持ってもらうほうが合理的です。
神の啓示ではなく自然権思想を基礎とした“新世界秩序”を受け入れてもらえる精神的土壌を培う必要があります。
神ないし神の子キリストの啓示(教え)を信仰する人が多ければ多いほど、人知でしかない自然権思想を基礎とした“新世界秩序”の確立は難しくなります。

(このようなことから、米国のキリスト教原理主義の“台頭”は、米英が行っているムスリム挑発と同じように、叩き潰す相手を炙り出す煽りから生まれた現象であるとも言えます)


※ ざざっと書きましたので、ご不明の点や疑義がありましたらレスをいただくかたちで補足させていただきます。
by wayakucha | 2008-03-29 14:54